GPU価格変動の歴史:2017年~2024年の振り返りをする – マイニングマシン買取net

GPU価格変動の歴史:2017年~2024年の振り返りをする

はじめに

GPUの価格が上がったり下がったりして一喜一憂していませんか?

特にここ6~7年は、仮想通貨マイニングブームや半導体不足の影響で、大きく価格が動いてきました。

今日はその経緯をわかりやすく、そして少し詳しく見ていきましょう。


2017年:仮想通貨マイニングブームの到来

2017年、ビットコインやイーサリアムの価格が急騰!これに伴い、マイニング需要が爆発的に増加しました。

マイニングには高性能なGPUが欠かせないため、NVIDIAのGeForce GTX 1070などの人気モデルはメーカー希望小売価格(MSRP)379ドルが、なんと700ドル以上で取引されることもあったんです。

アメリカ連邦取引委員会(FTC)も、この需要急増がGPU価格を押し上げたと指摘しています。



2018年:市場の調整期

翌年、仮想通貨市場が一転して下落。これによりマイニング需要が減少し、GPUの価格も落ち着きを見せ始めました。

Jon Peddie Researchによれば、2018年第4四半期のGPU出荷台数は前四半期比で10%減少。市場全体が冷静さを取り戻してきたことを示しています。


2019年:安定の1年

2019年は特に大きな動きがなく、市場は比較的安定していました。国際データコーポレーション(IDC)は、この年のGPU出荷台数が3%の緩やかな成長を見せたと報告しています。

安定した供給と需要のバランスが取れていた時期ですね。


2020年:パンデミックと供給チェーンの混乱

2020年、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務やオンライン活動が急増し、PC需要が急騰。その一方で、半導体の供給チェーンは混乱しました。

半導体産業協会(SIA)は、この年の世界半導体売上が前年比6.8%増加したと発表。需要は増え続ける一方で、供給不足がGPU価格を押し上げました。



2021年:半導体不足と再びのマイニング需要増加

2021年には半導体不足がさらに深刻化。工場の閉鎖や需要の高まりが重なり、GPUの在庫が不足しました。

さらに、仮想通貨の価格が再び上昇したことで、マイニング需要も再燃。

この結果、NVIDIA GeForce RTX 3080は699ドルのMSRPにもかかわらず、2,000ドル以上で取引されることもありました。


2022年:供給の改善と価格の調整

2022年になると、半導体生産能力の拡大が進み、仮想通貨市場も低迷。それに伴い、マイニングの採算性が低下し、GPU価格は徐々に下がりました。

3DCenter.orgのデータによると、2021年初頭にMSRPの200%以上だったGPU価格が、2022年中頃には約150%まで低下しました。


2023年:価格の正常化へ

2023年にはGPU市場がさらに安定。TechSpotのレポートでは、この年の中頃には多くのGPUがMSRP近辺で購入可能になったと報告されています。

過去数年の高騰からようやく解放された形です。


2024年:バランスの取れた市場

2024年に入ると、市場はさらに均衡を取り戻しました。主な理由は以下の通りです:

生産量の増加

NVIDIAやAMDなどの大手メーカーが生産を増強し、GPUの入手性が向上しました。この供給増加により、過去数年間に経験した不足が緩和され、価格の安定に貢献しています。参考:ティソレン

仮想通貨マイニング需要の減少

暗号通貨マイニングの収益性が低下し、この分野での GPU の需要が減少しました。この減少により、GPU の供給に対する圧力が軽減され、価格が安定しました。参考:ティソレン

新しいGPUモデルの投入

新しい GPU モデルのリリースにより、消費者により多くの選択肢が提供され、価格競争力が高まりました。たとえば、NVIDIA の RTX 40 シリーズや AMD の RDNA 3 シリーズは、市場での提供を拡大し、さまざまなモデル間の価格調整に貢献しました。参考:Reinforz

競争の激化

メーカー間の競争が激化したことで、価格も下がり消費者に利益をもたらしています。この競争により、一部の GPU は推奨定価以下で入手可能になっています。参考:デジタルトレンズ

経済的要因

インフレや消費者支出の変化などの世界経済状況は、GPU の価格に影響を与えています。メーカーと小売業者は、市場の需要と経済の現実に合わせて価格を調整してきました。 全体的に、2024 年には GPU 市場のバランスがより取れ、供給が改善され、需要が緩和されたため、消費者にとってより手頃な価格になりました。


長期的な傾向と今後の対応

GPUの価格は短期的には仮想通貨や供給チェーンの動向に左右されがちですが、長期的には技術の進歩や生産効率の向上により、徐々に下がる傾向があります。

過去のデータからも、価格が上がるのを期待してGPUを持ち続けるよりも、早めに売却する方が賢明だといえます。

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