まず「基本料金」+「電力量料金」を安くすることから考える
電気料金は、「基本料金」+「電力量料金」±「燃料費調整額」+「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で計算できます。
前提条件として、電気代は大量に使うことで、電力会社と有利に交渉でき、安くすることが可能になります。
次に考えたいのは、電気代の安い電力会社の地域にファームを作ることです。
日本で電気代の安い電力会社は、北陸電力、九州電力かと思います。
この2つが安いのは、原子力発電所があるからだと思われます。
私が目にした範囲でいえば、北陸電力の中でも敦賀市、九州電力の中だと川内市が特に安かったです。市内に原子力発電施設があるからです。
もともと安い上に、F補助金(原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業)というものもあるので、何百万円というキャッシュバックを受けているケースもあるようです。
ただし補助金の認定を受けるには、厳しい条件がありますので、電力契約のために新しく会社を設立することもあるようです。
これらを活用し、電気料金15円kWhを実現しているケースもあるようです。
F補助金は、石川県、佐賀県、など各地でも実施されているようです。
https://www2.dengen.or.jp/html/works/yuchi/yuchi01.php
電気料金のうち安くなるものは?
電気料金のうち、電力会社との交渉で安くならないのは、「燃料費調整額」かと思われます。これはプラス(高くなる)もマイナス(安くなる)もありますが、2022年以降はずっとプラスのようです。
「基本料金」「電力量料金」については、先に説明しました。
賦課金を減免してもらう
残りの「再生可能エネルギー発電促進賦課金」については、条件付きで減免措置というものがあります。
賦課金とは、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る費用を消費者に負担させているものです。
しかし一定の条件でこれが減免されます。
条件をざっくり説明すると、
1.製造業においては電気の使用に係る原単位(電気使用量(kWh)/売上高(千円))が平均の8倍を超える事業を行う者、非製造業においては電気の使用に係る原単位が平均の14倍(製造業、非製造業ともに5.6kWh/千円)を超える事業を行う者。
2.申請事業所における申請事業の電気使用量が年間100万kWhを超えること。
3.申請事業所における申請事業の電気使用量が申請事業所の電気使用量の過半を占めていること。
4.原単位の改善のための取組を行う者。
PDF資料はこちら(外部サイト)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/kaisei/gen_gaiyou.pdf
とのことです。
マイニング事業は、非製造業に該当すると思いますので(もしかしたらコインを作る製造業とみなされるかもしれませんが、普通はデータセンターの扱いなので非製造業かと思われます)、電気の使用に係る原単位が平均の14倍(製造業、非製造業ともに5.6kWh/売上高(千円)を超える必要があります。
では、これを計算式に当てはめてみます。
(すべて仮の条件で計算しますので、鵜呑みにしないようにご注意下さい)
A社の電気使用量を年間100万kWhとします。
電気使用量(kWh)/売上高(千円)=5.6kWh/千円
なので、
1,000,000/売上高(千円)X=5.6
1,000,000=5.6X
X=178571(千円)
X=178571(千円)=178,571,000円=1億7857万円/年
です。
年間電気使用量100万kWhのマイニング会社の場合、年間の売上が1億7857万円以上ないと、条件に適合しないことになります。
(年間電気使用量100万kWhは、mustです)
賦課金の減免率は?
非製造業等の場合、減免率は優良基準を満たす場合で4 割、満たさない場合で 2 割となっています。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_nintei_genmei.html
優良基準とは、電気の使用に係る原単位の改善に向けた取組の状況に係る基準のことです。
優良基準を直近2事業年度連続で満たした場合に、優良業者となります。
最初の表に戻りますが、
4.原単位の改善のための取組を行う者とは以下の「いずれかの条件」を満たしているマイニング会社です。
①11月1日前に終了した直近事業年度から起算して、過去4事業年度分の原単位の変化率の平均の値が99%以下である。
②11月1日前に終了した直近事業年度又はその前事業年度において、各事業年度の原単位が、それぞれの事業年度の前事業年度の原単位以下であり、かつ、11月1日前に終了した直近事業年度から起算して、過去4事業年度分の原単位の変化率の平均の値が105%以下である。
③11月1日前に終了した直近事業年度の前事業年度から起算して、過去4事業年度分の原単位の変化率の平均の値が99%以下である。
④11月1日前に終了した直近事業年度の前事業年度又はその前事業年度において、各事業年度の原単位が、それぞれの事業年度の前事業年度の原単位以下であり、かつ、11月1日前に終了した直近事業年度の前事業年度から起算して、過去4事業年度分の原単位の変化率の平均の値が105%以下である。
つまり、過去4事業年度の変化率がチェックされるので、事業年数が5年以下のマイニング会社の場合、「優良基準を満たない」ので、減免率は 2 割ということになりますね。
お問合せは以下からどうぞ。
電気料金のコンサルはできませんが、電気代の安いファームをご紹介できる場合がございます。